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■こだわり・空間 ― 1 < 住宅の露天風呂・家庭用露天風呂 >  2005.5.3

お風呂の好きな人であれば、誰でも自分の家にも露天風呂があればいいなと思うだろう。ところが、実際に露天風呂を自宅に作ろうと考える人はほとんどいないのではないだろうか。温泉も無い自分の家で、露天風呂なんか作ったら維持費が大変だと思うからか、自宅に露天風呂とは考えもしない人がほとんどなのではないかと思う。




住宅露天風呂-2.jpg

私も長い設計仕事の中で、旅館やホテルの計画の他には家庭用の露天風呂を設計する機会は無かった。その機会を得たのは、玉川村のW邸(北斜面の家)を設計させていただいた時だ。当然温泉が在る訳ではないので、給湯器で沸かしたお湯を使っての露天風呂である。
給湯器のメーカーに、住宅に露天風呂(縦1.2m×横1.8m×深さ0.5m)を作りたい旨を相談すると、業務用設備を薦められた。家庭用の一般のボイラーでの計画を話すと、上手く行く保障ができないと言う話だった。私自身は上手く行くだろうと思っていたので、メーカーの心配を他所に家庭用の給湯器を二台利用して家庭用の露天風呂を計画実施した。
浴槽の部分は鉄筋コンクリートに防水処理の後、断熱材を貼り、その上に石(ライムストーン)貼り仕上げとした。浴槽の周囲には自然石を置き露天風呂の風情を演出した。ヨーロピアンスタイルの住宅に合わせ、石の色も和風の露天風呂に良くある青色系や黒色系の石は避け、茶色系の石のみを石置き場のたくさんの石の中から形や表面の具合のいいものだけを選んで使っている。露天風呂は内風呂の前庭も兼ね、植栽はシャクナゲを中心に下草にはツルニチニチソウやヤブラン等を使った。ちょうど今まではシャクナゲが満開で、もうしばらくすると周囲を囲った塀の上が、ノウゼンカズラの鮮やかなオレンジ色の花で覆われる。

オーナーも実際にはちょっと心配していた玉川村の特に寒い冬の時期も、予想以上に快適で、大成功だった。真冬の星空の下、露天風呂で熱い湯に浸かりながらの冷たいビールは格別で、オーナーにとっては自宅の露天風呂である訳だから、格別さもなおさらだと思う。お孫さんやお友だちにも大変好評のようだ。私もオーナーと時のたつのも忘れ、露天風呂で五時間以上も語り明かしてしまった。

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